【質問】病院外から出る注射針の取扱について

【質問】

看護協会にて注射針を用いたい実習を行い、その不要物となった注射針やカテーテルなど不要物は、産業廃棄物、特別管理産業廃棄物のいずれに該当するか。

なお、実習はシミュレータを用い、人体へ注射するなど血液が当該不要物へ付着する行為は行わない。

【回答】

特別管理産業廃棄物の感染性廃棄物に準ずる取扱いをすること。

【解説】

◎特別管理産業廃棄物である感染性廃棄物に該当するかの判断

特別管理産業廃棄物の定義は、法に定める以下の施設から排出される廃棄物であって、廃棄物の形状、排出場所、感染症の種類を判別し、判別が難しい場合や医師が感染性廃棄物と認めた 場合など医者等の判断に基づいて決定される。

○法に定める施設

イ.病院、ロ.診療所、ハ.衛生検査所、ニ.介護老人保健施設、ホ.人が感染し又は感染する恐れのある病原体を取り扱う施設であって政令で定めるもの。

政令で定める施設(三・四・五は、医学、歯学、薬学及び獣医学に係るものに限る。)

一.助産所、二.獣医療法に規定する診療施設、三.国又は地方公共団体の試験研究機関 四. 大学及びその附属試験研究機関、五.学術研究又は製品の製造若しくは技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究を行う研究所

今回の廃棄物は、上記に該当する施設ではなく、法の基準に照らせば普通産業廃棄物に該当すると思われる。しかしながら、注射針やメスなど鋭利なものについては、上記の判別方法により普通産業廃棄物と判断されたとしても、普通産廃として処理することによって、袋を貫通し、委託業者や排出事業者が怪我を負うメカニカルハザードのおそれがあり、特別管理産業廃棄物と同等の取扱をするとしている。

看護協会は、上記の該当する施設ではないが、メカニカルハザードを避ける為、特別管理産業廃棄物に準ずる形で保管、処理等がなされる必要がある。

◎保管方法などの取扱いについて 処理を行うにあたって、以下の事項に留意すること。

①排出方法について

感染性廃棄物は他の廃棄物と分別して排出するとされており、当該廃棄物は普通産廃と分けて排出すること。

②保管等について

注射針、メス等の鋭利なものは、金属製、プラスチック製等で危険防止のために耐貫通性のある堅牢な容器を使用すること。また、危険物であることが分かるように廃棄物の名称を表示すること。なお、保管にあたっては、実際に感染のおそれは無いことから冷蔵庫への保管は要しない。

③委託等について

委託業者は普通産廃の業者でも構わないものの、できるだけ特別管理産業廃棄物の許可を有し、普通産業廃棄物の処理も行える業者へ処理を委託することが望ましい。なお、処理業者へ引き渡す際には、鋭利なものであることなど、性状について事前に伝えること。

④特別管理産業廃棄物管理責任者の設置について

処理計画等を定め、当該廃棄物が適正に管理・処理されるように管理責任者を設置することが望ましい。

⑤帳簿の備え付けについて

感染性廃棄物の排出事業者については、当該廃棄物の処理が適正に行われているかどうかを常に把握し、処理について帳簿を作成するとともに、一定期間保存しなければならないとされていることから、帳簿の備え付けを行うことが望ましい。