【質問】グリストラップ汚泥の処理について

【質問】

業務用厨房に設置されるグリストラップで生じる汚泥(廃油を含む)を石鹸化工法で処理する業者が存在する。

業務形態は、当該業者が排出元のグリストラップ内でハンディタイプの機械(小型と中型あり)を使用し、鹸化剤の添加後、攪拌し、グリセリン脂肪酸に分解する。その後給水を行い、希釈、下水道へ排水するものとなっている。

以上の業務形態について下記のとおり疑義が生じる。

  1. 当該業務形態が産業廃棄物である「汚泥(廃油を含む)」の中間処理に該当するか否か。もし、該当するならば、事業の範囲、処分の用に供する施設、処理後の廃棄物の処理方法(希釈は認める?)はどうなるか。
  2. 処理後物であるグリセリン脂肪酸の混合水について、廃棄物を「卒業」したと判断する指標を「下水道法における排水の水質基準(pH、BOD、n-ヘキサン値等)を満たていること」としてよいか。

【回答】

  1. 当該処理は、浄化槽等に流入する前の雑排水の処理であり、浄化槽法で定める雑排水の処理の前処理にあたることから、廃棄物処理法上の中間処理には該当しない。なお、処理前処理後問わず、浄化槽に雑排水を投入する行為は、浄化槽の処理能力の範囲内で行う必要があるため、処理した雑排水の水質(pH、BOD、SS等)や投入水量等について、浄化槽の機能に支障が生じないか確認する必要がある。
  2. 雑排水である当該混合水を通常の排水として判断する基準については、生活環境保全上の支障を生じない性状であることが必要であることから、水質汚濁防止法に定める公共用水域への排水基準に準ずる必要がある。なお、雑排水を浄化槽で処理するのであれば、浄化槽の機能を損なわないよう雑排水の投入量や性状を管理する必要があり、また、下水道に排水することについては、関係部局と調整する必要がある。

【参考】

 合併処理浄化槽により処理可能な雑排水の取扱いについて(抜粋)

 (平成12年3月31日衛浄20号)

 別添に示す業種の排水は、その性状及び特性からして、合併処理浄化槽により処理可能な雑排水として扱っても特段の支障がないことから、以下の内容に従った適正な措置が講じられるよう、貴管下市町村(一部事務組合を含む。)に対する周知・指導を含めた対応方よろしくお願いする。

一 処理可能な業種の排水等の対象人員算定基準の適用等について

 別添に示す業種の排水に関し、一日当たりの平均的な排出水の量が五〇m2未満であるものについて、当分の間、今回の対象とするほか、合併処理浄化槽により処理可能な業種に対する対象人員算定基準の適用等、その他留意点については、建設省から別途発出される都道府県建築主務部長に対する通知によること。

 別表

  合併処理浄化槽への事業場排水の受入れ可能な業種

  123 野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業

   1231 野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業

   1232 野菜漬物製造業

  127 パン・菓子製造業

   1271 パン製造業

   1272 生菓子製造業

   1273 ビスケット類・干菓子製造業

   1274 米菓製造業

  129 その他の食料品製造業

   1293 めん類製造業

   1295 豆腐・湯揚製造業

   1296 あん類製造業

   1298 惣菜製造業