【質問】農業用廃ビニールの処理について

【質問】

 ある業者が、農業用廃ビニールを圧縮梱包機で圧縮・梱包した後にコンクリートで固めてブロックにし、牛舎の骨材に入れて使いたいとしている。当該業者は、処分業の許可は得ていないが、処分業の許可を得ることでこうしたことはできるのか。 

【回答】

 廃棄物の中間処理とは、減量化、安定化、安全化、無害化することであり、再生利用の意義は、廃棄物を適正に処理し、再び材料等として有効利用し、廃棄物の減量、資源の節約、環境保全を図ることにある。

 そのため、再生利用も中間処理の一つであり、産業廃棄物を再生利用する(産業廃棄物から有用物を得る)ためには、排出事業者が自ら処理する場合等を除き、産業廃棄物処理業(処分業)の許可が必要である。

 一方、廃棄物処理法においては、産業廃棄物の具体的な中間処理の方法について、焼却と熱分解についてしか定めていない。そのため、圧縮・梱包した農業用廃ビニールをコンクリート固化する方法も、中間処理の方法として認められるものである。

 しかしながら、産業廃棄物処分業の許可の基準(規則第10条の5第1号)のうち施設に係る基準において、廃プラスチック類の処分を業として行う場合には、当該廃プラスチック類の処分に適する破砕施設、切断施設、溶融施設、焼却施設その他の処理施設を有することとされており、 当該基準に適合しなければ許可されないことになる。 
 また、中間処理は、廃棄物を物理的、化学的又は生物的な手段によって形態、外観、内容等について変化させ、最終処分に当たって、生活環境の保全上支障の少ないものとすることである。そのため、中間処理を行う施設は、中間処理後の廃棄物が、中間処理後において適切に処理できる性状のものに廃棄物を変化させることのできる施設でなければならない。このことから、処分業の許可申請書への添付書類として、処分後の産業廃棄物の処理方法を記載した書類が定められているところである。 
 以上のことから、本事案については、次の事項を満たさなければ、産業廃棄物処理業の許可はされない。
  1. 農業用廃ビニールをコンクリート固化する施設が、「その他の処理施設」として廃プラスチック類の処分に適するものでなければならない。
  2. 産業廃棄物を再生利用する場合、当該再生物は、他人に有償で売却できる性状のものでなければならないため、農業用廃ビニールのコンクリート固化施設は、農業用廃ビニールを他人に有償で売却できる性状のものに変化させる施設でなければならない。