【質問】積替用でないマニフェストを用いて、収集運搬が複数区間にまたがる場合のマニフェストの運用について
【質問】
【回答】
複数区間であるから複数区間用のマニフェストを用いなければならないという規制はなされていないことから下記とおり運用可能である。
1)収集運搬に関して委託契約を締結した収集運搬業者数と同数のマニフェストを用意し、最終運搬区間以外のマニフェストは収集運搬のみであるからA票及びB票のみ使用し、最終運搬区間のマニフェストは処分まで行われるためE票まで使用する。
2)最終運搬区間以外のマニフェストは、どの収集運搬業者へ引き渡したかを把握するため、運搬先の事業場(処分事業場)の欄を、次の運搬受託者などと書換え、次に引き渡す収集運搬業者を記載する。最終運搬区間のマニフェストについては、通常通りの使用方法に基づいた記載を行う。
3)全てのマニフェストの備考欄には、最終運搬区間のマニフェストに印字された交付番号及び「収集運搬が複数の運搬区間にまたがるため、N枚のマニフェストを用いている」などと記載し、これらのマニフェストが一連の処理に係るものであることが把握・管理できるようにする。また、運搬区間1のマニフェストの備考欄には、1区間目/N区間などと記載し、一連の他のマニフェストについても同様に記載する。
【解説】
マニフェストの目的は、産業廃棄物が適正に運搬・中間処理・最終処分されたことを排出事業者及び処理業者が管理できることにある。そのため、法定記載事項以外のマニフェストの運用については、様式や取扱い方法が示されている。今回の事例のように、運搬区間が複数区間なので複数区間用マニフェストを使用しなければならないという規制は無い。
マニフェストに係る義務は、法第12条の3に示された法定記載事項が記載されていること及び管理票交付者及び管理票回付者への写しの送付、一定期間の保管の義務などが定められている。なお、法には様式に係る規制は無く、使用目的に応じて様式の変更は可能であり、建設用マニフェスト、積替え保管用マニフェストなど様々な様式のマニフェストが作成されている。
以上のことから、複数区間の収集運搬が行われる処理委託のマニフェストの運用については、以下のポイントを押さえる必要がある。
1 複数枚のマニフェストを用いる場合には、一連の処理に係るマニフェストであることが備考欄やその他の記載方法の変更により識別可能であり、紛失等がないよう管理が適切になされること。
2 独自様式を作成する場合には、法令事項が必ず記載されていること。
3 行政や発注者などの利害関係者から通常の様式と異なっていることについての疑義或いは運用等について指摘された場合、適切に説明できるようにしておくこと。