【質問】現場処理できるグリストラップ汚泥減容車の取扱について

【質問】

 グリストラップ汚泥減容車「トランスモービルTM-03DSP」(メーカー:兼松エンジニアリング(株))の取扱いについて、次のことについてご教示願いたい。 なお、当該施設は、グリストラップ汚泥の排出現場において処理を行うもので、1汚泥槽 からの汚水の吸引、2薬品(有機系高分子凝集剤)添加・撹拌、3沈降分離、4分離水の排水(汚泥槽に戻す)、5濃縮汚泥排出、という手順で処理するものである。

  1. 当該施設は、廃棄物処理法施行令第7条第1号で規定する「汚泥の脱水施設」に該当するか。
  2. 当該減容車で処理した後の濃縮汚泥を堆肥化する処理工程となっているが、当該減容車での処理を堆肥化の前処理としてみなせるか。 

【回答】

1について

 「脱水」とは、加圧・遠心力という物理的操作によって水分を除去する操作であるが、グリ ストラップ汚泥を薬品と混合して静置・沈降分離する当該施設での処理は、汚泥濃度を上げる「濃縮(重力濃縮)」に該当するものであり、「脱水」には該当しない。また、この場合における薬品添加という「調質」は、濃縮の前処理となる。

 以上のことから、当該施設は、令第7条第1号で規定する「汚泥の脱水施設」に該当しない。

 そのため、法第15条第1項に基づく施設の設置許可は不要である

 

2について

 当該施設での処理は、汚泥の濃度を上げる「濃縮」という処理で、汚泥の性状を変化させるものであることから、当該処理のみで中間処理として扱われるものである。

 当該処理は、それぞれのグリストラップ汚泥の排出現場において行うものであり、その後に おける堆肥化施設と連続した一体の施設とはみなせないものであり、また、バッチ式で、1回 の処理ごとに濃縮汚泥をタンクから排出しなければ、次の汚泥濃縮を行うことができないものである。

 以上のことから、当該施設での処理は独立した中間処理であり、次の工程の堆肥化の前処理として取り扱うことはできない。

 そのため、法第14条第6項に基づく処分業の許可において、「濃縮」と「堆肥化」を事業範囲として許可を取得する必要がある。

 なお、堆肥化の工程において、当該施設による濃縮汚泥をさらに脱水あるいは濃縮する場合、当該脱水・濃縮は、堆肥化の前処理として取り扱うことができる。