【質問】不法投棄された廃棄物から有価物を抜く行為について

【質問】

 市有の土地に投棄された廃棄物の中から、有価物のみ選別し持ち帰りたいと、一般の者から市に相談があった。

 市としては、当該場所が少しでも片づけば、その行為をすることについて承諾したいと考えているが、当該行為は何らかの許可がなければ行うことができないか。

 なお、当該場所は、一般廃棄物や建設廃材、廃自動車等複数の廃棄物が混載している。

【回答】

 当該場所に投棄されている物は、以下に大別されると思われる。

①明らかな廃棄物(一般廃棄物、産業廃棄物)

②明らかな有価物(売却できる物。鉄くず等)

③有価物と廃棄物の混合物(鉄筋が含まれるがれき等)

④廃自動車

 また、当該場所に投棄されている物については、投棄者が不明であると推定されることから、 当該土地を管理する市が、廃棄物については処理責任があり、有価物については所有権が あると思慮される。

 以上を踏まえた上で以下のように整理する。

①について

 廃棄物については、市が排出者として適正に処理する必要がある。

②について

 有価物については、市に所有権があるため、持ち帰りたいという者に対し、無償で提供することについては自由である。

③について

 総体として価値があるかどうかの判断となる。

(1) 価値があると判断された場合

 上記2と同様の取扱いとなる(総体として有価物である者を譲り受けた者が、当該者を分別(破砕等含む)した後に、発生する残さ等の不要物については、譲り受けた者が排出者となる ことに注意を要する)。

(2) 価値がないと判断された場合
 上記1と同様の取扱いとなる。 なお、「有価物のみ選別し持ち帰りたい」との相談内容より、当該現場内で、分別作業を行い、有価物のみ抜き取ることが想定される。

 分別作業については、手作業で行える程度であれば許可は不要だが、金切鋸等の器具を用いて切断等を行う場合、当該行為は処分とみなされる。

④について

 廃自動車は有価である鉄の部分を多く含むが、自動車リサイクル法に基づき、適正に処理されなければならないことから、当該相談者が分別作業を行う場合、解体業の許可を必要とする。

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