【質問】土地の使用権限を証する書類について

【質問】

株式会社Aは収集運搬業の更新許可申請書を提出している。

事業場(駐車場及び積替保管)は新規許可取得時から借地となっており、今回も当該土地に係る賃貸借契約書を添付している。

その書面では、「賃貸借の期間は、平成14年1月1日から平成23年12月31日までの10年間とする。但し、甲、乙の合意により、賃貸借の期間を更新することができる。」とあるため、新たな使用承諾を示す書類が必要である。

しかし、当時の賃貸人が死亡しており、当該土地の代表相続人と新たに更新に係る覚書を作成し、添付されているが、これをもって使用権限を有すると判断できるか。

覚書以外の使用権限を示す書類の添付はなく、現在、賃料について双方で揉めている。

○(株)Aの言い分

・覚書をもって、更新契約を締結し、現在も効力あり。

・賃料50万円から30~35万円ほどに賃料減額の訴えの準備中(不動産鑑定士に賃料を鑑定中)

・現在、賃料50万円を毎月欠かさず、支払っている。

○代表相続人の言い分

・減額に応じていない。 使用の承諾に応じていない。

 

【回答】

覚書によると、「甲乙間の「土地・建物賃貸借契約書」更新における乙丙間の確認」とあるが、継続的な土地の使用承諾を得ていると判断できないため、別途、継続的な使用権限を有する書類を求める必要がある。 また、所有者は複数存在するため、全所有者から使用承諾を取るよう指導すべきである。

甲:賃貸人(死亡)

乙:(株)A

丙:代表相続人

 

【解説】

廃棄物処理法では、申請者が基準に適合する施設及び能力を有し、かつ欠格要件に該当しない場合には、必ず許可をしなければならないと解される。

産業廃棄物収集運搬業許可(法第14条第1項)に係る申請書への添付書類として、事業の用に供する施設(駐車場、積替保管施設等)の所有権(所有権を有していない場合には、使用権限)を有することを証する書類を規定(施行規則第9の2第2項第3号)している。

また、施設について、産業廃棄物の性状に応じた適正な処理ができるものであること並びに、申請者が、継続的に使用する権限を有していることを確認することとされている。

当該書類をもって、継続的(概ね許可期間の5年)な使用権限を有しているとは判断できない(参考:【通知】産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて)。

今後、賃貸借契約を解除され、使用権限を失った場合、施設の使用が不可能となり、業を継続して行うことが困難となる。

その際は、業の廃止があったものとして法第14条の2第3項において準用する法第7条の2第3項の事業の廃止の届出の提出を求める。

求めに応じない場合は、 許可取消処分等の対象となる。

 

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