【質問】廃プラRPFの自社利用に係る廃棄物該当性について

【質問】

処理委託を受けた産業廃棄物であるペットボトルに付随するラベルを用いて、RPFを製造している。

製造したRPFは他業者に販売していたが、2年ほど前に業者の倒産にて出荷先がなくなり、また塩素分が高いという理由で一部業者に買い取ってもらえず、事業場内に保管状態が続いている。

今回、自社で小型焼却炉(ボイラ-)を設置し、当該RPFを燃料として使用したい。

その際、熱回収を行い、ペットボトルを洗浄する温水を作りたい。

上記事業計画に用いるRPFは、産業廃棄物に該当するか。

また、燃焼する行為は、他者の産業廃棄物の処分行為に該当するか。

【回答】

産業廃棄物に該当し、他者廃棄物の処分行為(焼却)に当たる。

【解説】

環境省通知『行政処分の指針』で廃棄物該当性の判断については、

「廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要になったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意志等を総合的に勘案して判断すべきもの」

と示されている。

当該RPFを廃棄物該当性に当てはめると、

『物の性状』→ 塩素分が高く、RPF利用者の利用用途に要求される品質を満たしていない。

『排出の状況』→ 供給量は処理受託量に左右されるため、温水製造に用いる燃料としての需要にマッチングした計画的なものではない。

『通常の取扱い形態』→ RPFは固形燃料として市場形成されている。

『取引価値の有無』→ 2年間売却実績がない。

『占有者の意志』→ 燃料として使用したい。

となり、RPFは固形燃料として市場形成されているが、当該RPFは塩素分が高く、利用者が要求する品質を満たしておらず、実際に2年間も販売実績がない。また、別添分析結果から品質の基準とされている塩素分0.3%を上回る結果が出ている。

よって当該RPFは有価物ではなく、廃棄物と考え、他者から受け入れたペットボトルに付随するラベルを用いたRPFを燃焼する行為は、処分委託を受けた産業廃棄物の焼却に当たると考える。

【質問】石綿を含む接着剤をグラインダーで削り、粉状にしたものについて

【質問】

  1. 建築物の撤去等の工事で、石綿含有廃棄物(接着剤)をグラインダーで削ったもの(粉状)が生じた。このような接着剤の取り扱いについて、どのように取扱い・処分するのか。
  2. 前記1の廃棄物を回収した集塵袋(グラインダーに付帯)の取扱いは、どうするか

【回答】

石綿含有廃棄物(接着剤)を使用した部材や部位の改修時等に、接着剤を粉状にしたものについては、石綿が飛散するおそれがあることから、廃石綿等として取り扱う。

したがって、当該廃棄物を回収した袋については、二重梱包等の飛散流出防止対策を講じたうえで適正処理を実施する必要がある。

【解説】

(1) 廃石綿等とは「人の接触、気流及び振動等によりイからハに掲げるものと同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材、断熱材及び耐火被覆材」と規程されている。(省令第1条の2第7項第2号ニ)

(2) 固化した石綿含有廃棄物(接着剤)を粉じん化したものは、固定化された石綿が大気中に飛散し、生活環境に影響をおよぼすおそれがある。

(3) 石綿含有産業廃棄物(接着剤)自体については、石綿が接着剤に練り込まれていることから、そのままの状態では飛散のおそれは少ないと考えられる。また、平成18年環境省告示第102号第2条第2項によると「石綿含有産業廃棄物の運搬時において、やむをえず切断等が必要な場合には、散水等により十分に湿潤化した上で、積み込みに必要な最小限度の破砕又は切断を行う事」は認められている。

 しかし、今回のケースでは必要最小限度の破砕とは認められない。

(4) したがって、石綿含有廃棄物(接着剤)を粉じん化したものについては廃石綿等として取り扱う。

【参考】

政令

 第二条の四第五項ヘ 

石綿等(廃石綿及び石綿が含まれ、若しくは付着している産業廃棄物のうち、石綿建材除去事業(建築物その他の工作物に用いられる材料であつて石綿を吹き付けられ、又は含むものの除去を行う事業をいう。)に係るもの(輸入されたものを除く。)、別表第三の一の項に掲げる施設において生じたもの(輸入されたものを除く。)及び輸入されたもの(事業活動に伴つて生じたものに限る。)であつて、飛散するおそれのあるものとして環境省令で定めるものをいう。以下同じ。)

省令

 第一条の二第7項 

令第二条の四第五号ヘの規定による環境省令で定める産業廃棄物は、次のとおりとする。

一 建築物その他の工作物(次号において「建築物等」という。)に用いられる材料であつて石綿を吹きつけられたものから石綿建材除去事業により除去された当該石綿

二 建築物等に用いられる材料であつて石綿を含むもののうち石綿建材除去事業により除去された次に掲げるもの

イ 石綿保温材

ロ けいそう土保温材

ハ パーライト保温材

ニ 人の接触、気流及び振動等によりイからハに掲げるものと同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材、断熱材及び耐火被覆材

三 石綿建材除去事業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防じんマスク、作業衣その他の用具又は器具であつて、石綿が付着しているおそれのあるもの

四 令別表第三の一の項に掲げる施設において生じた石綿であつて、集じん施設によつて集められたもの(輸入されたものを除く。)

五 前号に掲げる特定粉じん発生施設又は集じん施設を設置する工場又は事業場において用いられ、廃棄された防じんマスク、集じんフィルターその他の用具又は器具であつて、石綿が付着しているおそれのあるもの(輸入されたものを除く。)

六 石綿であつて、集じん施設によつて集められたもの(事業活動に伴つて生じたものであつて、輸入されたものに限る。)

七 廃棄された防じんマスク、集じんフィルターその他の用具又は器具であつて、石綿が付着しているおそれのあるもの(事業活動に伴つて生じたものであつて、輸入されたものに限る。)

 

平成18年環境省告示第102号

 第一条2 

令第三条第二号ト(2)ただし書の規定による石綿含有一般廃棄物の収集又は運搬のため必要な破砕又は切断の方法として環境大臣が定める方法は、石綿含有一般廃棄物を排出する場所における運搬車への積込みに必要な最小限度の破砕又は切断を行う方法であって、石綿含有一般廃棄物が飛散しないように、散水等により石綿含有一般廃棄物を湿潤化するものとする。

 第二条 2 

令第六条第一項第二号ニ(2)ただし書の規定による石綿含有産業廃棄物の収集又は運搬のため必要な破砕又は切断の方法として環境大臣が定める方法は、前条第二項に規定する方法とする。

 

【質問】産業廃棄物処理施設使用前検査について

【質問】

廃棄物処理法第15条第1項の規定に基づく産業廃棄物処理施設設置許可申請(がれき類の移動式破砕施設)を検討している事業者(産業廃棄物処分業許可業者)がおり、処理施設の設置場所として以下のとおり計画している。

   ① 県内全域の排出事業場

   ② 事業者の自社ヤード(屋外で建築物はなし)

   ③ 事業者の産業廃棄物処分業許可証に記載されている中間処理場(屋内使用)

(1) 廃棄物処理法第15条の2第5項の規定に基づく産業廃棄物処理施設の使用前検査について、先に自社ヤードでの設置状況を受検し、建築基準法第51条のただし書きの許可取得後(ただし書き許可のための審査会は年に1~2回程度開催される)、中間処理場における設置状況の検査を受検することは可能か。

(2) 仮に、産業廃棄物処理施設の使用前検査を2回受検したとき、検査証の交付はどのようにするか。

【回答】

(1) 事業場毎に使用前検査を受けることは可能である。

【理由】

① 廃棄物処理法と他法令との関係

廃棄物処理法における許可は、同法で定める人的要件及び技術上の基準に適合すれば許可しなければならない「羈束(きそく)許可」であり、他法令に基づく許可を得ていない段階であっても、産業廃棄物行政の立場で同法に定められた手続を進めても差し支えないとされている。

また、土木建築部局の通知から、建築物がない場合は、当該施設の設置は建築基準法の対象外となるが、建築物がある、もしくは建築物を設置する場合は、廃棄物処理法による産業廃棄物処理施設設置許可を取得していても、都市計画審議会の許可を得ずに産業廃棄物処理施設を設置した場合は、建築基準違反となる。(整理すると以下のとおり)

自社ヤード(屋外):産業廃棄物処理施設設置許可取得後に施設設置が可能。

事業者処分場(屋内):産業廃棄物処理施設設置許可及び建築基準法第51条

           ただし書きの許可取得後に設置可能。

 

② 産業廃棄物処理施設使用前検査について

産業廃棄物処理施設の使用前検査では、当該処理施設が設置に関する計画に適合していることを確認し、その検査内容には、処理施設の構造以外に設計計算上達成することができる排ガスの性状、放流水の水質その他の生活環境への負荷に関する数値が含まれているが、産業廃棄物処理施設の屋内設置と屋外設置とでは、生活環境への負荷に関する数値を達成するための対策やその付随設備に違いがあると考えられる。

上記①及び②から、当該施設の屋外設置と屋内設置については、他法令(建築基準法)に基づく設置可能時期が異なり、また、設置状況の違いから検査すべき内容も異なるため、設置場所毎に使用前検査を受検した方が望ましい。

なお、建築基準法第51条ただし書きの許可を取得後、使用前検査を一括して受検することも可能とし、個別若しくは一括受検の選択は事業者が行う。ただし、建築基準法第51条のただし書きの許可取得前に中間処理場に施設を設置した場合は、建築基準法違反であるため、建築部局に情報提供し、指導させることとしたい。

 

(2) 検査済証は受験毎(個別)に交付する。

【解説】

産業廃棄物処理施設を用いた処理は、

①自ら排出した産業廃棄物の処理を行う。(処分業の許可不要)

②他人の産業廃棄物を受託処理する。(処分業の変更許可(変更届出)が必要)

があり、使用前検査終了後、①の自ら処理に使用することも想定されるため、設置者に不利益が生じないよう、検査証は一括ではなく、受検毎に交付することしたい。

【参考】

○ 厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知(平成4年8月13日付け衛環第233号)第3の1(1)

廃棄物処理施設の設置を許可制としたことから、他法の許可等を得ていない段階であっても、産業廃棄物行政の立場で法に定められた手続きを進めて差し支えないこと。ただし、処理施設を立地しようとする場所について他法の規制がある場合については、関係部局に連絡するなどの配慮をされたいこと。

○ 廃棄物処理法第15条の2第5項

 前条第一項の許可を受けた者(以下「産業廃棄物処理施設の設置者」という。)は、当該許可に係る産業廃棄物処理施設について、都道府県知事の検査を受け、当該産業廃棄物処理施設が当該許可に係る前条第二項の申請書に記載した設置に関する計画に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。 

○ 廃棄物処理法第15条第2項

前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。

  一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  二 産業廃棄物処理施設の設置の場所

  三 産業廃棄物処理施設の種類

  四 産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類

  五 産業廃棄物処理施設の処理能力(産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、産業廃棄物の埋立処分の用に供される場所の面積及び埋立容量)

  六 産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画 

  七 産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画

  八 産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、災害防止のための計画

  九 その他環境省令で定める事項 

○ 廃棄物処理法施行規則第11条第2項

前項の申請書に法第十五条第二項第六号の産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画に係る事項として記載すべきものは、次のとおりとする。

  一 産業廃棄物処理施設の位置

  二 産業廃棄物処理施設の処理方式

  三 産業廃棄物処理施設の構造及び設備

  四 処理に伴い生ずる排ガス及び排水の量及び処理方法(排出の方法(排出口の位置、排出先等を含む。)を含む。)

  五 設計計算上達成することができる排ガスの性状、放流水の水質その他の生活環境への負荷に関する数値

  六 その他産業廃棄物処理施設の構造等に関する事項  

 

○ 建築基準法第51条

都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道県都市計画審議会(その敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村であり、かつ、その敷地が所在する市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合にあつては、当該市町村都市計画審議会)の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない。 

○ 建築基準法施行令第130条の2の2

法第五十一条 本文(法第八十七条第二項又は第三項において準用する場合を含む。)の政令で定める処理施設は、次に掲げるものとする。

  一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「廃棄物処理法施行令」という。)第五条第一項のごみ処理施設(ごみ焼却場を除く。)

  二 次に掲げる処理施設(工場その他の建築物に附属するもので、当該建築物において生じた廃棄物のみの処理を行うものを除く。以下「産業廃棄物処理施設」という。)

    イ 廃棄物処理法施行令第七条第一号から第十三号の二までに掲げる産業廃棄物の処理施設

    ロ 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)第三条第十四号に掲げる廃油処理施設

 

【質問】未納税がある場合の経理的基礎判断について

【質問】

産業廃棄物収集運搬業者Aが更新許可申請を行っている。Aは民事再生法第33条に基づく民事再生手続開始の決定がなされた再生債務者である。

本申請において、納税証明書中に未納税が確認され(310万円程度)、完納するまでは許可が出せない旨、行政書士経由で指導した。

後日、行政書士から連絡があり、「現在、税務署と調整し、未納税を定期的に少額ながらも納付中である。しかし、この未納税は直近3年間に生じたものではなく、それ以前に生じたものである。将来的に完納可能と思われるので、多額で完納は長期に渡るものの、長期的財務計画書の添付をもって経理的基礎の判断を行ってほしい。」との報告を受けた。

当職にて法人税の分納について、国税事務所に電話確認を行ったところ、未納が認められる場合、国税通則法第46条第2項により、納税猶予の手続きが取られることと規定されており、納税計画書や納税に係る誓約書の提出等の方法により、未納者に対する完納のシステムが確立されている。

分納による完納期限は原則1年間であるが、個々の事情を勘案して、期限をさらに猶予する措置も図られている。

ついては、申請者に「国税通則法第46条第2項に基づく納税の猶予に係る通知」、または「税務署の受付印がある納税計画書の写し」を未納に至った理由書及び長期的財務計画書と併せて提出させることにより、「経理的基礎を有さないと判断することはできない」と解してよいか。

【回答】

お見込みの通り。

【解説】

本来、未納税がある場合には延滞税が課されるが、それでも納税されない場合、督促状や催告状が送付されるほか、最終的に財産差押えなどの強制徴収手続が行われ、取引先からの信用失墜に繋がるなど、当該事業継続に多大なる支障をきたすおそれがある。

国税通則法では、納付困難な理由がある場合、第46条にて納税の猶予が認められている。申請者が国税事務所と協議の上、納税計画を講じている場合には、上記の懸念を回避することが可能であり、猶予期間中の延滞税も免除される。また、提出した納税計画がうまく履行できなくなってしまった場合においても、再度税務署と交渉することにより、計画の再変更に応じてもらえるケースが多い。

したがって、申請者に「国税通則法第46条第2項に基づく納税の猶予に係る通知」、または「税務署の受付印がある納税計画書の写し」を未納に至った理由書及び長期的財務計画書と併せて提出させることにより、経理的基礎を有さないと判断することはできないと解してよいと思われる。

【質問】船内廃棄物の代理人を介した委託契約について

【質問】

海洋汚染防止法の法改正に伴い、船内廃棄物の陸上処理が必要となったことから、以下の事項について整理したい。

※Xは船会社、YはXより関税や荷揚げなど、当該船舶の諸手続きを代行する船舶代理業務を営んでいる船舶代理店である。Zは産廃処理業者とする。

①船会社は4社あり、Yは4社とそれぞれ包括的代理店業務の委託契約を締結している。YがXに代わって、Zと廃棄物処理委託契約の締結及びマニフェストの交付事務を行いたいが可能か。

②揚炭バースでLNG船などの船内廃棄物を別の作業船に積み込み、岸壁へ陸揚げする作業を想定している。当該作業船は廃掃法の適用を受けないという認識でよいか?

 

【回答】

①以下の条件下で可能である。YがXに代わってZと廃棄物処理委託契約を締結した場合においても、Xが排出事業者であることには変わりはなく、Xの排出事業者責任をYに転嫁するものではない。

<委託契約について>

XとYの間で交わされる船舶代理店契約において、廃棄物処理委託契約書の締結事務に係

代理人契約が読み取れるのであれば可能。当該契約から読み取れない場合には、別途委

託契約締結に係る代理人契約を締結するなど契約書等書面によって代理権を明らかにした

上でなければ、YはXに代わってZと廃棄物処理委託契約を締結することはできない。

マニフェストについて>

Yが当該産業廃棄物の集荷場所を設けており、適正に回収・処理されるシステムが確立されていれば、YがXに代わって自らの名義でマニフェストの交付を行うことが可能。なお、この場合にも交付事務の代行について契約書等で定めておくことが望ましい。

②揚炭バースは海上にある工作物であり、海上で行われる行為については、海上汚染防止法の適用を受けるため、廃棄物処理法の適用を受けない。

【解説】

①廃掃法において、代理人による契約は禁止されていないため、委託契約の締結においても代理人に委任可能である。しかし、あくまでもYは委託契約の事務作業を代行するだけに留まるものであり、契約を行った主体はXである。したがって、委託契約書は4社分作成する必要がある。

マニフェストの交付については、平成13年の環境省マニフェスト通知を参照した。       

産業廃棄物管理票制度の運用について(通知) 

公布日:平成13年03月23日 環廃産116号

管理票の交付については、例えば農業協同組合、農業用廃プラスチック類の適正な処理の確保を目的とした協議会又は当該協議会を構成する市町村が農業者の排出する廃プラスチック類の集荷場所を提供する場合、ビルの管理者等が当該ビルの賃借人の産業廃棄物の集荷場所を提供する場合、自動車のディーラーが顧客である事業者の排出した使用済自動車の集荷場所を提供する場合のように、産業廃棄物を運搬受託者に引き渡すまでの集荷場所を事業者に提供しているという実態がある場合であって、当該産業廃棄物が適正に回収・処理されるシステムが確立している場合には、事業者の依頼を受けて、当該集荷場所の提供者が自らの名義において管理票の交付等の事務を行っても差し支えないこと。なお、この場合においても、処理責任は個々の事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託契約は、事業者の名義において別途行わなければならないこと。

 

②以下の海洋汚染防止法の通知により、廃掃法の適用を受けないと考える。

 海洋汚染防止法の施行について(通知) 

公布日:昭和47年09月06日 官安289号

(中略)

 (五) 海洋施設

*1 海洋施設とは、法第三条第六号に規定しているように「海域に設けられる工作物(固定施設により当該工作物と陸地との間を人が往来できるもの及びもつぱら陸地から油又は廃棄物を排出するため陸地に接続して設けられるものを除く。)で政令で定めるもの」をいう。

*2 「政令で定めるもの」は、令第一条第一号及び第二号に掲げるものである。油又は廃棄物の排出は、人が存在する場合又は物が存在する場合におこると考えられることにかんがみ、第一号は「人の存在」に、第二号は「物の存在」に着目して海洋施設の内容を規定したものである。したがつて、例えばシーバースのように同一工作物であつても第一号及び第二号のいずれの規定にもあてはまるものがある。

*3 第一号の「人を収容することができる構造」とは、収容される人の多数を問わない趣旨であるが、たんに物理的に人が立ち入ることができるだけのもの、例えば航路標識用ブイ、無人燈標等はこれに該当しない。なお本号に該当するものとしては、シーバース、有人燈標、地質調査塔等がある。

*4 第二号の「物の処理、輸送又は保管」とは物が定常的に存在する形態を列挙したものである。本号に該当するものとしては、シーバース、パイプライン等がある。

(以下、省略)

 

*1:

*2:

*3:

*4:

【質問】最終処分場の立札について

【質問】

産業廃棄物最終処分場には立札を設置しなければならないが、その記載事項に「埋立処分の期間」というものがある。

終期については、産業廃棄物最終処分場設置許可申請書に記載していたものと現在の埋立処分計画期間の終期では大きく異なるが、当該立札には、申請時の終期を記載するべきなのか。それとも現在の計画期間の終期を記載するべきなのか。

【回答】

現在の埋立処分計画の終期を記載するべきである。

ただし、申請時と異なるのであれば、「埋立処分の計画」の変更となるので、その旨県へ届け出なければならない。具体的には、「軽微変更等届出書」の提出が必要となる。

【解説】

①「埋立処分の期間」の終期について

一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令」に基づき産業廃棄物最終処分場には立札を設置しなければならず、その形式及び記載事項については同省令に定められている。

その記載事項の中に「埋立処分の期間」があるが、廃棄物処理法、同法施行令、同法施行規則には「埋立処分の期間」との具体的な記載は出てこない。

しかし、産業廃棄物最終処分場の設置許可申請書には、記載事項として「埋立処分の計画」があり、これは、環境省通知「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部改正について(平成10年5月7日衛環37号)」では、『「埋立処分の計画」には、埋立方式、埋立順序、埋立法面の形状、埋立高さ、埋立処分終了予定年月及び埋立処分の終了後に行う維持管理の内容を記載すること。』とされている。

よって、「埋立処分の期間」の終期は、「埋立処分の計画」の「埋立処分終了予定年月」を記載すべきものだと思われる。

②「埋立処分の期間」の終期の変更について

新たな法整備、リサイクル技術の発達等により、最終処分場設置許可申請時の埋立処分終了予定年月日が変更されるのは十分考えられることであり、よって、立札の「埋立処分の期間」の終期についても、当然現時点と申請時で異なる場合が考えられる。

埋立処分終了予定年月日の変更は「埋立処分の計画」の変更であり、「都道府県知事へ届け出なければならない」変更である。 

よって、県への「軽微変更等届出書」の提出が必要となる。

また、環境省通知「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の運用に伴う留意事項について(平成10年07月16日環水企301・衛環63)」によると、「(立て札の)表示事項に変更が生じた場合は速やかに書換えること」とされており、立札の記載事項についても上記軽微変更等届出とともに「速やかに書換える」必要がある。

 

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【質問】船舶国籍証書及び船舶検査証書について

【質問】

産業廃棄物収集運搬業変更届出にて船舶を5隻追加する事業者がおり、内3隻は小型船舶のため「船舶国籍証書」の添付がなく、内2隻は自航能力が無いため「船舶国籍証書」及び「船舶検査証書」の添付がない。

船舶法または船舶安全法の適用除外である船舶については、それぞれ「船舶国籍証書」「船舶検査証書」の添付を省略し、他の書類にて使用権限の確認ができればよいか。

※内3台は、推進機関を有する総トン数20t未満の小型船舶

 内2台は、推進機関を有さない総トン数100t以上及び船長30m以上の船舶

【回答】

差し支えない。

【解説】

船舶の使用権原を有することの確認書類として、原則「船舶検査証書」及び「船舶国籍証書」の提出を求め、審査を行っているところである。

船舶国籍証書については、船舶法第5条に基づいて登録・交付されるものであるが、船舶法第20条により総トン数20トン未満及び自航能力を有さない船については、船舶法4条から19条の規定は適用しないと規定されている。

また、船舶検査証書については、船舶安全法第9条に基づいて検査・交付されるものであるが、船舶法第2条第2項により自航能力を有さず国土交通大臣が定める小型のもの、その他国土交通大臣が特に定める船舶には適用しないと定められ、施行規則第2条にて適用除外の船舶は「推進機関及び帆を有しない船舶」等が規定されている。

よって、変更届出中全ての船に船舶法が適用されず船舶国籍証書の発行がない。また、内2台については船舶安全法が適用されず船舶検査証書の発行もない。このことから、船舶国籍証書及び船舶検査証書の添付は省略とし、その他使用権限を有することが確認できる書類を提出させることとする。

【その他書類について】

その他使用権限を有することが確認できる書類として、内航海運業法第25条の4に基づく自家用船舶届出受理証の写しの提出がある。

内航海運業とは、船舶によって輸送を行う事業のことであり、産業廃棄物収集運搬業にて船舶を使用する場合には、内航海運業法第3条に基づくの登録も必要になると思われる。その際、内航海運業に用いない船舶(自家用船舶)については内航海運業法第25条の4の規定により届出をしなければならないと規定されており、国機関より届出受理証が発行される。届出受理証には船舶の届出者が記載されているため、所有者の確認ができることから、上記その他使用権限を有することが確認できる書類として差し支えない。